浴衣話まとめ〜浴衣のTPOとは〜

これまで5回に渡って、ツラツラと解説してきた浴衣話。
放っておくと際限なく続きそうなので、今回で総まとめをして
一旦、終わりたいと思います。
そして、今回のポイントはこちら!
「浴衣と夏きもののTPOの違い」です。
(昨年の夏、フルーティストのAKIKoさんに来て頂いて、
浴衣でジャズナイトというイベントをした時の様子。
浴衣で楽器演奏だって問題なくできちゃいます)
まず浴衣の物理的な定義は
1,手ぬぐいと似たような触り心地の木綿の生地で
2,「絞り」や「注染」。「型染め」といった技法で後から染められた物
ただし、成り立ちからいうと「麻」を用いた生地は浴衣生地の1種
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でも現在、浴衣として生まれた物だけでなく、浴衣と同じ着方をしても違和感のない物も
浴衣として扱われています。
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浴衣として着用するのに違和感がない雰囲気。
着方次第で、浴衣としても夏きものとしてもOKな雰囲気。
夏きものに向く雰囲気。
生地感や透け感、模様などでそれぞれの雰囲気の物があるというのも確認しました。
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でも折角、浴衣の事がわかったとして、
大切なのは浴衣を着るのに相応しい場面かどうかの見極めですよね。
ご存知の通り、浴衣はカジュアルです。
私はよく、洋服ではオシャレジャージに例えます。
近年では着るものへの自由度が高まり、たまに昼間からオシャレなジャージや
部屋着っぽいもので街を歩いている人を見掛けます。
着物文化を大切にしている人間からすると、お出かけ着として昼間から浴衣を
着て歩いている方は、オシャレジャージで歩いている方と同じように見受けられます。
なんで?
そんな難しい事言わなくても、浴衣はもう、お出かけ着として市民権を得ている!
というご意見ももちろんわかりますが・・・。
ポイントは「衿(えり)」にあります。
もちろん、浴衣にも「衿」は付いています。
着物との着方の違いは、着物では「長襦袢と着物で二重に衿が重なっている」点です。
十二単が格式高いとされるように。
黒留袖に未だに比翼地(二重に着物を着ている様に見せるための部分)が付けられるように
日本では「重ねる」ことが、先方への敬意を表する事になるんです。
男性の正装も、着物の上に羽織を重ねますよね。
もともとお風呂を利用するときの浴衣(よくい)として生まれた浴衣(ゆかた)。
そもそもが精々、部屋着やくつろぎ着として着用した物。
江戸時代に今の原型が作られたときも、あくまで夕涼みなど寛いだ時間帯に
家の近場までで着用されていたのだとか。
ある歌舞伎役者さんに聞いた話ですが
「着物を着て芝居小屋に着てくれる若い人が増えて嬉しいけど、さすがに浴衣姿の人にはびっくりした」との事。
芝居小屋はお洒落を楽しむ場でもあります。
ワンピースやジャケット姿などお洒落な姿を楽しむ場所に、
お洒落とはいえジャージ姿で入り込む。
そんなシーンをイメージしてください。
ね。ちょっと変でしょ?
ここはやはり、長襦袢を着た夏きものスタイルで臨みたいところ。
もちろん、私は個人的に浴衣大好きですので、
ドンドン着て頂きたい!という気持ちは強いです。
お洒落なお食事処でも、イベントなどでドレスコードが浴衣などで指定があれば大丈夫。
昼間から浴衣で街歩きだって楽しいものです(普段着でも違和感ないですもんね)。
浴衣の着用シーンで悩んだ時は
「その場に、お洒落ジャージや普段着が相応しいかどうか」
これを1つの判断基準にしてみてくださいね。
もし、大人な浴衣の着こなしに不安がある方向けに
「三ッ星レッスン岡山」さんというサイトを通じて
「その着こなし大丈夫?大人浴衣のウソホント」
というプチレッスンを行っています。
実際の生地を見ていただきながら、浴衣の楽しみ方をお伝えします。
開催日は特に決まっておらず、呼んで頂いた方との調整で行います。
岡山県内は無料出張いたします。
↓お申し込みはこちらから↓
https://www.mitsuboshi-lesson.jp/chingaraya/
ぜひ、上手にご利用くださいね。
浴衣を上手に取り入れて、皆さんのこの夏がより、素敵な思い出で満たされます様に!
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