お茶席の着物選び〜利休忌・追善茶会〜

どうも。
ちんがらやの4代目です。

着物のあるライフスタイルを提案するのがうちの仕事ですが
現代日本で、最も生活の中に着物が溶け込んでいるのは、お茶人さんかもしれません。

ただ、このお茶席の着物っていうのが中々に難しい。
というのも、シーンが多いからだと思います。

本ページでは、お茶人さんなら年に1度は確実(?)にお声がかかるであろう利休忌や追善茶会の装いに裏千家でお茶を嗜む4代目の視点で考えます。

お茶人さんの着物選びについて、他にもこんな記事をまとめています。

それでは、利休忌の男女別の装いについて。

春蘭柄の染帯。地色が抑えてあり柄もシック。


<利休忌の基本の装い:女性>
・地味な色無地
・色を柄を抑えた帯。
・ゆるぎ(冠)組のシンプルな帯締め
・縮緬など光沢を抑えた無地感覚の帯揚げ

<利休忌の基本の装い:男性>
・抑えた色目の無地
・縞が目立たない袴もしくは十徳
・金襴などが入らない、渋めの角帯

経験上、こんな感じで行けば誰からも文句が出ないハズ。

女性の帯に関しては裏千家の五藤宗紫先生が「お茶の着物 装いの手引き」という書籍の中で「重なる事を嫌う為に袋帯でなく名古屋帯で」「文字柄はおすすめできない」と述べられているのが印象的。

着物屋で勧められる(?)法事用の「夢」とか織り出されている帯ではなく、物故者にゆかりのある柄か、シックな柄の名古屋帯を合わせるのが良さそう。

いっそ、無地の帯も無難でいいかもしれません。

綴織の無印の名古屋帯。綺麗な紫なんですが、写真で色が上手く出せなくて残念。

となると必然、合わせる帯締め・帯揚げも決まってきます。
法事用・弔事用の黒やグレーで揃えるのも悪くはないと思うけど、それよりシンプルなゆるぎ組の帯締めに、光沢を抑えた縮緬の無地感覚の帯揚げを合わせるのがおすすめです。

あくまで利休居士や歴代同門物故者の遺徳を忍ぶのであって、喪に服する法事ではないですもんね。

前述の「お茶の着物 装いの手引き」の中で、遠州流の戸川宗彬先生は
「遠州忌など何百年も続く遠忌では、流派として栄え続けた事を流祖に感謝し、盛装で望みます」とされ、訪問着や付下の着用を勧められています。

<追善茶会の場合>
利休忌と違って、追善茶会は物故者個人を忍ぶ性格が強いもの。
・地味な色無地
・ゆかりの柄かシックな柄の名古屋帯
・黒かグレーの喪様の帯締め・帯揚げ

といった装いが相応しいのではないでしょうか。

牡丹唐草文様、地紋だけの一色の織名古屋帯。

こういった時に、男性のバリエーションが少ないと痛感します。
果たして、考えなくていいから楽なのか。
お洒落できなくて、つまらないのか(笑)

今回の話はあくまで総論。
お師匠先生や地域のお茶の会(裏千家でいうところの淡交会○○支部)によって、装いの基準は違う可能性があるので、心配な方はぜひ、ご自分のお師匠先生にご相談なさってくださいね。

個別のコーディネートのご相談なら、僕もお役に立てるので、お困りの際はぜひ、お声掛けください。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


関連記事一覧

最新記事