浴衣と夏着物の境界線って?その2-1

どうも。ちんがらやの4代目です。
導入編のその1を含めて、全5回シリーズでお届けする浴衣と夏着物の見極めのお話。

今回は『浴衣らしい浴衣』

についてのお話です。
結論から言えば、ポイントは次の2つ!

1、晒(さらし)生地である
2、注染染めである

以上、終わり!(笑)
え?やっぱりちょっと乱暴ですかね・・・。

もう少し詳しく見ていきましょうか。
まず生地の話。

現代では化学繊維を含め、様々な素材の「浴衣」が販売されていますが
今の浴衣の直接のご先祖さまは、江戸時代に生まれました。

この時の浴衣はどんなものだったかというと、
銭湯に持っていって、風呂上がりに着替えて帰るものだったみたいですね。
その様子が、浮世絵にも描かれているんです。

素材は当然、木綿。
絹より高価な素材だった木綿ですが江戸時代中期ごろになると、国内でも盛んに生産され
安価な庶民の味方の生地になってきたようですね。

木綿の着物の大表とも言えるそんな浴衣ですが
木綿の糸を染めてから模様を織り上げる久留米など『綿絣(めんがすり』に比べると
はるかに、薄手なことにお気づきだと思います。

片貝木綿 向こうが透けない糸の密度がある
特岡の浴衣地 向こうの光が見える糸の密度


そう!お風呂上がりに、わざわざどっしりした生地を見にまといたくなかったんですよね。
今でも吸水性に優れ、ある程度丈夫さもある『晒』が伝統的な浴衣の生地として使われています。

上質な浴衣には、『特岡』と呼ばれる和晒(国産の晒生地)が用いられることが多いですし
有名な竺仙さんが独自に使われている「コーマ」という生地も、晒系の生地なんです。

同じ木綿の着物といっても
片貝や会津や伊勢。そして、各地に残る綿絣とは全く風合いが違うのが浴衣の生地なんですね。

そういう意味で、浴衣らしい浴衣のポイントは生地が『晒(もしくはそれに限りなく近い)』物だと言えます。

写真は、特岡の生地に注染で染だした本染め浴衣。
こんなんサラッと着てもらえたら、着物通は、めっちゃ痺れますよね。

DSC_6325


今回はここまで。
次回は、浴衣らしい浴衣の見極めその2 染め方について語ります。
楽しみにしていてくださいね。

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