浴衣話その4~浴衣生地あれこれ〜

私自身、書き出したら止まらなくなってきた浴衣話も4回目。
やっぱり、考え出すと一番ややこしいのは浴衣かもしれません・・・。
今回は写真大きめですので、多少読み込みに時間がかかるかも。
重たくなっていたら申し訳ありません。

さて、前回は
<大まとめ>
「浴衣として生まれたけど夏きものとして着用できるパターン」と
「夏きものとして生まれたけど、浴衣として着用できるパターン」がある。

<小まとめ>
1,もともと夜に着用された浴衣だけど、現在は昼間に着用する場合も多い。
2,1の変化に伴って、透け感を考えた着こなしが大切。
3,キッチリ感が出過ぎないカジュアルな綿・綿麻・麻きものは浴衣としても着やすい。
4,逆に「ザ・浴衣」な雰囲気の浴衣は、夏きものとしての着用をオススメしません。

てなお話でした。
今回は、この続き。
じゃぁ、「ザ・浴衣な雰囲気ってどんなのでしょう?」というお話。
代表的な浴衣生地の写真をご覧ください。

1,コーマ。何度も浴衣話で登場しているオーソドックスな生地。

2,綿紅梅(めんこうばい)。格子状に太い糸が渡っているのがわかりますか?
ベースとなる細い綿糸の上に太い綿糸を格子状に織り込むことで
コーマよりサラリとした着用感のある浴衣生地です。

3,綿絽(めんろ)。夏きものの定番である「絽(ろ)」という織り方の生地。
絽目(ろめ)と呼ばれる空隙が通気性のよさと、見た目の涼感を演出。
縦方向に絽目が並んだ「縦絽(たてろ)」もあります。

4,長板中型(ながいたちゅうがた)。江戸小紋などと同様の型染めで染められた
綿100%の生地。模様を構成する極小の点を染め出す型紙と、
その極小の目を潰さずに染め上げる型染め。
どちらにも一級の職人さんの熟練の技が必要となる高級生地です。

5,奥州小紋(おうしゅうこもん)。老舗メーカー竺仙さんのシリーズの1つ。
経糸で絣模様を織出した生地の上から、型染めの技法で色柄を染め出した
綿紬のような風合いの生地です。

1,2,3は「ザ・浴衣」。どれも大きめの図案が大胆に配置されています。
4,5は、浴衣柄というより夏きもの柄の雰囲気。
図案の構成がどちらかというと、「緻密」だったり「綺麗め」だったり。
4は同じ図柄でも、本品のような型染めでなく、注染で大胆に染められていたら
「ザ・浴衣」の雰囲気ですね。

浴衣柄は「涼感」と「遊び心」や「洒落心」が感じられる物が多いのが特徴。
小さな柄を散りばめた図案も、色目やモチーフによっては十分涼感がありますが
大胆な柄をドンドンっとあしらった方が、涼感を強く感じます。

では、本日のまとめ。
ザ・浴衣の雰囲気は
「遊び心のある柄」「大胆な図案」「涼を感じる色柄」。
逆に、夏きものに向く物は
「きっちり感のある柄」「大胆というよりは繊細」です。

長くなったので、幾何学模様に関してはまた次回。
長かった浴衣話もそろそろ佳境です。

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