別染 夏名古屋帯 流水に桃
どうも。
岡山県北津山市の頑固な着物屋4代目です。
いつもお立ち寄りいただいて、ありがとうございます。
本日はお茶の諸先輩にご一緒していただいて
倉敷市で毎年この時期に行われる良寛茶会へと行って参りました。
お茶会の顛末はまた別のブログにまとめるとしまして
お茶席の趣向やお心いれのお道具の数々だけでなく
職業柄やっぱり気になるのが皆様のお着物姿。
大寄せのお茶席だけあって、紬の方から訪問着の方まで千差万別。
それぞれの装いがとても眼福でありました。
そんな中、感じるのが染帯のお洒落さ。
織の帯の方が多い中、とあるお席で、エッフェル塔を描いた
染帯を結ばれている方がおられて、もう、そこに目が釘付け!
不特定多数の方が集まる場だからこそのお洒落な装いですよね。
染帯といえば
ついに染め上がって参りました!
何が?といえば、表題の通り、夏の染名古屋帯。
まずは写真をご覧ください。
流水を中心に青楓が鮮やかに映える
渓谷の涼を感じる染帯です。
実はこれ、オリジナルで図案を依頼して初めていただきました。
こだわりはそう右下の「桃」
何せ、うちがある津山市は岡山県。
岡山県で『川』といえば、そう!桃太郎ですよね!
この桃。職人さんの遊び心がいっぱいで
岡山県産品として有名な『白桃』を描いてくださっています。
もちろん、黄桃も美味しくて好きなのですが
岡山県のお店からの注文なら、やっぱり、白桃でしょう!
なんて、職人さんの心づくしにワクワクしますよね。
そして、ポイントがもう1つ。
実はこの帯、2重に友禅が施してあるのです。
まずは、こちらの表地。
あれ?最初の写真だと岩とか鮎がいたような・・・。
と思われた方、大正解!
わかりますか?
実は、帯芯にも鮎と岩の友禅が施してあるのです。
この2重に友禅を重ねることで、透明度の高い川の流れ
生き生きと泳ぐ魚。
頭上には鮮やかな青楓が輝き
桃が流れ現れる・・・・
というストーリーが生き生きと表現されています。
思っていた以上の出来栄えに正直惚れ惚れしています。
色使いも絶妙なのですが、この質感も色彩も
カメラを通じては十分に表現できず・・・。
ぜひ、実物をご覧いただきたい逸品です。
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