単衣シーズンの帯揚げ選び

どうも!
岡山県北の城下町津山市の着物屋4代目です。
いつもお立ち寄りいただいて、ありがとうございます。

今日のテーマは単衣シーズンの帯揚げの選び方。
先取り単衣としての4月
定着してきた5月からの単衣
これまで通りの6月単衣
と、夏にかけての単衣のシーズンもお人によっては
長く、複雑になってきました。

この全てのシーズンを従来の単衣向きの帯揚げで
カバーするのはちょっと勿体無いかも!
な、お話です。

まず、ぽってりとした縮緬地の帯揚げは
温かみを感じる生地でもあります。

対して、綸子系の照りのある帯揚げは、同じ輪出しのものでも
少しすっきりとした印象に。

(写真向かって左:綸子 右:縮緬)

4月の先取り単衣に合わせるならば
ぽってりした縮緬帯揚げをNGとは言いませんが
より爽やかな印象になるすっきり目の帯揚げがおすすめです

そして有名な呉服店でも5月から単衣の着用を推奨され出しました。
透け感のある帯揚げ全般を『単衣・夏物』として括って
紹介されているところもありますが、
実は生地の種類は結構あって、透け感もさまざま。

例えば、こちら3枚は絽縮緬の帯揚げ
淡い色すぎて、写真では色がわかりにくいですが
アイスグリーンの生地に銀砂子の帯揚げ(17,600円)
クリーム色の無地の絽縮緬(13,200円)

アイスグリーンの帯揚げはこんな感じです

そして、波に千鳥の絽縮緬(17,600円)

接写すると、横糸(緯糸)に捻(より)の掛かった糸が使われているのが
わかっていただけると思います。
こうした、縮緬生地に絽目が通った生地は絽縮緬と言って
着物や長襦袢などでも、盛夏というより単衣の時期がベストシーズンとされています。

また、次にご紹介する竪絽(たてろ)の帯揚げも同じように
単衣のシーズンが旬の生地。

(竪絽段ぼかし帯揚げ ↑水色 ↓クリーム 各17,600円)

接写をするまでもないですが、生地に対して横方向に透けた段(絽目)が
通る『絽』と違い、縦方向に絽目が通っている生地です。

絽縮緬も、竪絽も単衣シーズンが旬ですが、
最近は一般的に盛夏を通じて着用しても良いと考えられています。

こうした生地の物は、透け感があっても5月〜9月頭まで
比較的長い時期をお使いいただけるとっても便利な帯揚げとなります。

更に透け感の強い帯揚げもありますよね。
それが『絽』や『紗』と言われるもの。
こちらは、『きんち絽』と行って、生地に対して縦方向に畝のように
シボ立ちのある楊柳生地に絽目を通したもの。

絽目のないただの「きんち」は単衣シーズンに最適ですが
こちらの『きんち絽』は『絽』と同等『夏生地』とされ
盛夏のコーディネートに使うのがベストシーズン

(きんち絽帯揚げ アイスグリーン 19,600円)

また、少し膨れ織の様にもなっていますが
こうした一般的な絽の帯揚げも、盛夏の物とされています

(絽流水取りぼかし帯揚げ 14,300円)

夏の生地の代表として忘れてはいけない『紗』も
盛夏が旬の帯揚げ。

(紋紗 サーモンピンク秋草文様帯揚げ 17,600円)

こういった絽や紗など盛夏がベストシーズンの帯揚げを
単衣の着物コーデに用いる場合は6月に入ってから。
地域にもよりますが、6月中旬〜8月末まで。
夏の日差しの中で使っていただくことをお勧めしています。

なんだ、めんどくさい!
と思われる方もいらっしゃると思いますが、ここはお洒落を楽しむポイント!

この『ちょっとした違いで季節感楽しむ』という『お洒落遊び』を
楽しんで頂けたら、より着物のコーデが楽しくなると思うのです。

もちろん、多くのネットショップに『単衣・夏向き!』と
『絽』や『紗』の帯揚げが並んでいる時代でもありますので
5月以降の単衣シーズンに夏の帯揚げを使うのが間違い!
とは言いません。

ご予算の許す範囲で、ぜひ、それぞれにお楽しみくださいね。

ここでご紹介している帯揚げに関してや
記事に対してのご質問などありましたら
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