弓浜絣工房B見学2回目

先日、日曜日に引き続き2回目の弓浜絣工房さんへの見学に行ってきました。
この日しかない!
とのことで、生憎の悪天候の中、やや強行でしたが、気心知れたお客様と
楽しく無事に行ってくることができました。

今回の参加者の方も、弓浜絣の制作現場に訪れることは初めて。
工房主の佛坂さんのアッケラカンとした、解りやすい解説で
伝統工芸品としての弓浜絣の定義から制作過程まで、
実演を交えて解説して頂きました。


(綿から種を取り出す作業の体験中)


(絣を括った染色前の糸。これは機械括りをお願いしたのだとか)


(染色後、括られている糸をほどくと括られた部分が白く染め残っているのが分かります)

前回は見学できた綿花の畑ですが、この日はさすがに難しく。
代わりに盛り上がったのは、糸の草木染の話。

弓浜絣の定義としては「藍色」ということが定められているため、
草木染めの糸を使ったカラフルな作品は、残念ながら「弓浜絣」の証紙を
貼ることができません。

でもね。
それが可愛らしかったり、おしゃれだったりすると、
証紙なんか関係なく作ってしまうのが佛坂さんです。

修行時代もご自分から進んで草木染めの修業先を探し、勉強されたのだとか。
現在も、藍染は外注しつつ、工房の奥にある染場で
鍋を使ってグツグツと草木染めを行っているんですって。

茜とか、玉ねぎとか、栗とか。
草木染めの原料としてメジャーなところはもちろん、
セイタカアワダチソウや紫芋。
草木染めとは違いますが、アフリカの土を使った顔料による染色にも
チャレンジされているんだとか。

外来種として目の敵にされているセイタカアワダチソウも
とっても綺麗な色を染める材料になるってびっくりです。
(アレルギーのある人もいるそうで、染める場合には注意が必要と習ったのだとか)

(全部セイタカアワダチソウで染めた糸。こんなに綺麗に染まります)

「ね。なんだか、アフリカって感じでしょ?」と
見せていただいた、土顔料染の糸は、確かにパワーを感じるなんとも力強い色!

(他の草木染めの糸とは全く雰囲気が違うパワーを感じます)

「藍色って綺麗だけど、誰にでも似合うわけじゃない色だから」と
産地の伝統に縛られない、オシャレな物作りを進める佛坂さん。

着物が大好きなお客様とも意気投合で、
紫芋染の糸で着物地を織って頂くことになりました。

実は、機械紡績の綿糸は紫芋で染めた事が実績があるのですが、
手繰り糸を紫芋で染色するのは、佛坂さんにとって初めての挑戦なんだそう。

(物造りの姿勢を感じて、意気投合するお客様と佛坂さん)

「いつかやってみたいと思ってました」と目を輝かせた彼女。
これから1年かけて、綿の収穫、綿づくり、糸作り、デザイン、染色、織と
物作りを進めてくださいます。

まるで、お客様からのオーダーというより、
お客様と二人で新しいものを作るみたい。

そんなお二人の楽しそうな様子が伝わってきて、僕まで嬉しくなりました。

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