浴衣と夏着物の境界線って?その2-2
どうも。ちんがらやの4代目です。
先週末は倉敷市の玉島で行われた良寛茶会に、茶道の先輩たちと遊びに行ってきました。
3年ぶりの大きなお茶席で、沢山に方が久しぶりの再会に会話を弾ませられていたのが印象的でした。
お茶向きの着物は一般的な着物のコーデとは一味違うところもあって
いい勉強をさせていただきました。
さて、今回は浴衣と夏着物の境界線その2-2です。
「浴衣らしい浴衣の見極めポイント」として
その2-1では生地が晒(さらし)系の生地であることをポイントとしてお話ししました。
今回の見極めポイントは「注染で大胆な模様の物」です。
注染(ちゅうせん)というのは明治時代に確立された染色方法。
1,生地の上に型紙を設置し、その上から糊を置いて染めない部分を防染します。
2,1反の反物を型紙の大きさで蛇腹状に折り畳みながら、1の作業を繰り返します。
3,糊を置き終わった蛇腹状の反物を染色台の上に置き、ジョウロで染料を注ぎながら、
コンプレッサーで染料を下まで吸引することで、裏表なく一気に染め上げる技法です。
この注染の特徴は、裏表なくしっかりと生地が染まること。
糸の中まで染料が浸透するので、洗濯に耐えられる堅牢な染であること。
です。
いわゆるプリントや捺染(なっせん)と言われる、生地の上から染料を塗り込む方法と違い
裏まで色が通ることで、白場はより白く、色はよりはっきりと染まっています。
浴衣には他にも、裏表、寸分違わないように型を置いて両面を染め上げる
長板の技法もありますが、長板は江戸小紋の様な繊細な模様が多く
注染の浴衣は、大胆な柄が多いのも特徴です。
この柄の大きさも「浴衣らしさ」のポイントで
スキッとした涼感を出すために、古典的な浴衣は大胆な柄付けの物が多いのも特徴。
逆に、着物にもありそうな模様のものは、浴衣らしくないイメージに近づきます。
要は、
☆晒(さらし)の木綿生地で
☆裏表なくしっかりと染まっていて
☆柄が大胆なもの
これらの条件が揃ったものは
昔ながらの「浴衣らしい浴衣」という理解で間違いないと思います。
さらにその中でも、
「白紺・紺白などの1色上げ」の物は特に、伝統的な浴衣のイメージが強く
ついで、「多色使いで、柄が大胆なもの」が浴衣らしく
晒生地に注染でも、「多色使いな上に柄が細やかなもの」は
浴衣らしさからは少し遠のくイメージです。
ここまで2回にわたって「浴衣らしい浴衣」のポイントをお話ししてきました。
次回からは、「浴衣らしい浴衣」とそうでない物の「着方の違い」についてお話をしていきます。
楽しみにしていてくださいね。
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