麻の種類

どうも。
ちんがらや4代目です。

着物好きなら皆知っている世界遺産に登録されてる越後上布(えちごじょうふ)。
この「〇〇上布」というのは、麻糸を使った高品質な織物のこと。

でもその麻糸って、麻という植物から取れるから麻っていう・・・
のではないって、知ってました?

糸になる前の麻の繊維

麻は、植物に含まれている繊維の総称。
多年草だったり、一年草だったり、イラクサ科だったり、クワ科だったり。
原料となる植物の種類もてんでバラバラ。
日本麻紡績協会によると、麻の種類は20種近くあるのだそう。

中でも、着物に縁のある代表的なものは
亜麻(あま)、苧麻(ちょま/からむし)、大麻(おおあさ)の3種。
それぞれ当然、別の植物です。

大麻の繊維から手績みされた麻糸

亜麻はリネンとも言われる麻素材。
そう、洋服なんかで圧倒的に使われている繊維です。
聞いた話によると、この亜麻は日本ではほとんど取れず、海外に自生している植物なんだとか。
ヨーロッパでは主流の麻で、洗濯にも強く、肌触りもソフト。
現代生活には馴染み深い素材かもですね。

苧麻は、現代の着物業界ではもっとも馴染み深い麻素材。
中国から渡ってきた植物とされるけど、縄文時代の遺跡から出土もしている。
リネンより、張りがあって、通気性の良い生地になるけど、反面、リネンより少しチクチクすると感じるかも。
一年草の亜麻と違って、多年草なので、収穫もしやすく、丈夫なだけでなく光沢のある繊維のため、高級麻織物である「上布」の主原料として各産地で現在でも使われています。

で、気になる方が多いであろう「大麻」。
はい。大麻取締法の元、日本ではほとんど生産されなくなった麻素材。
ヘンプとも言いますね。

滋賀のとある資料館で見せてもらった大麻の茎が上の写真です。
もう、めっちゃ長いですよね。
苧麻が大体1m50cm〜2mmまで伸びると言われてるけど、大麻はそれ以上の長さに成長しそう。

スピリチュアルな話ではないですが、宮司さんの装束や道具など用いられてきた素材で、かつては、苧麻に次いで日本人の「衣生活」にも「信仰・文化」の側面からも馴染み素材でした。
でも現在では、その生産は激減。
生産している地域は栃木や群馬のごくごく一部。
そこから麻糸を作って、織物に使用しているのは、僕が知る限り
滋賀県の「近江上布」だけとなっています。

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