水引〜染名古屋帯〜
どうも。
ちんがらやの4代目です。
いつも、のぞいてくださる皆さん、ありがとうございます。
そして、インスタやFBの動画を観て、ここに来てくださったありがとうございます。
皆さんに育てて頂こうと思ってますので、動画についての感想もよろしくお願いします。
さて、本ページでご紹介するのはこちら。
シンプルな仕上がりの中に、京友禅の職人技がひかる、染の九寸名古屋帯です。
まず目に入るのは、お太鼓中央の水引の模様。
この結び方、梅結びといいます。
梅は、「実がなる」「花が咲く」また、菅原道真公のお好みや中国の故事から学業成就ににも通じるおめでたい文様。
さらに、水引の結び方としては、解けにくさから結び切りの1つとして結婚式などのお祝い事でも使われる結びです。
横にすっと伸びる水引のラインと、梅結びはどちらも職人さんの手描き。
京友禅らしく、梅結びの中にさりげなく金彩も施されています。
この金彩が光るのは前柄ですね。
水引の梅が3つ、飛ぶ文様は、帯締めと素敵なマッチングをしそうです。
この手描き友禅が素敵!
なのですが、僕がこの帯に惚れたのが構図とそして、サイドの摺り疋田(すり美った)。
ご存知ない方のために簡単の説明すると・・・。
疋田絞りという絞染で生まれる菱の中に1つ点のある模様。
これを、絞りじゃなくて、型染めで表現するのが刷り疋田。
(他に、手描きする描き疋田もあるよ)
ステンシルをやったことある方は分かりますかね?
型を彫って、その型を生地の上に置いて、刷毛で染を含ませたノリを置いていくことで染色を行います。
で、この細かい菱を型に彫出すのはもちろん、曲者なのが菱の中の『ポチ』!。
1枚型で染られる場合もあるそうですが、基本的には2枚以上の型紙を使って、ズレの無いように染めていく技が求められます。
しかも、この摺り疋田。
分かりますか?ぼかしてあるんです!
型染めのぼかしって、ハケの塩梅を職人さんの感覚で加減して生み出す、職人技。
機械プリントと違って、その日のコンディションなどに左右されることもあり、言うなれば世界に1つだけの仕上がりになるわけです。
しかも、そのボカした摺り疋田が、結構長い区間染めてあります。
なんだ、このこれ見よがしに技を誇ってないのに、みる人が見たら感動しちまうクオリティは!!!
です。
ヤバすぎて、仕入れる予定では無かったのに、仕入れてしまいました・・・。
インスタ動画では時間の制約でこの感動を言葉で伝えきれなかったのが悔やまれますが、このブログで少しでも伝わればいいなぁ。
技術的なことを置いておいても、構図としても素晴らしい名古屋帯です。
模様の謂れを考えれば、単純に遊び帯としてでなく、結婚式の2次会など、ちょっと華やいだ席や、格式張らないお祝いの席などでも活躍しそうです。
実物を見てみたいけど、当店への来店が難しいなど。
ご興味のある方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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