子供に与えられる物

逆走台風が向かってくる中、日本画家の竹林柚宇子先生がお嬢さんと一緒に当店に遊びに来てくださいました。

着いて早々、早速ご無理をお願いして、色紙にサインをおねだりすると・・・。
絵は苦手やからなぁ。
娘にも1枚貰ってもいいですか?
と、お嬢さんとお二人で早速、サインペンを走らせてくださいました。

普段お使いの日本画の画材とは全く性質の違うサインペンを使いながら
ものの10分もかからずで出来上がったのがこちら。

ドドン!

いや、どうですか?
僕のことをご存知のみなさん。似てます?
となりで、お嬢さんが「うわっ、似てるっ」と大絶賛。
個人的には当社日30割り増しくらい、いい男に描いて頂いた気がします。

そして。
お嬢さんがうちの息子のためにと、描いてくださったのがこちら。

ドドン!

色の使い方がすごくないですか?
ピンク、赤、オレンジ、黄色、緑、青、水色。
8色セットのサインペンのうち、黒以外を全て使っているにもかかわらず、
奇抜というわけでなく、全体に調和が取れてた配色に驚きました。
自分が小学生3年の時の図工で、ここまでバランス良く多色を使うことができていたかなと
思わず、自分を振り返ってしまったほど。

「人の評価は気にせず、自由に描いたらえぇ」
とおっしゃる竹林先生がお嬢さんに向ける眼差しには愛情たっぷり。

さすが、お母さんが日本画家なだけはある。
と、多くの方が考えると思うのですが、おそらく、それって半分正解なんだと思います。

「環境が人を育てる」ということは言うまでもなく、みなさん実感されることだと思うけど。
この「環境」って親がどんな仕事をしているか。ということだけじゃない気がします。

子供に何を見せて。
何に触れさせて。
何に挑戦させて。
そして、どんな親の背中を見せるのか。

だと思うんです。

幸いなことに、我が家は「職人さんたちが丹精込めたきもの」の魅力を伝えることを生業としているので
うちの息子は毎日、そういった「多様な美」に囲まれて育っています。
そんな息子は、車に乗せると、まだ2歳半にもかかわらず
「みて、お空、綺麗」
「葉っぱ、きれい」
「あの雲、こわいね」
と、話してきます。
どこまで本当かわかりませんが、少なくとも「きれい」「かっこいい」「すき」「きらい」など
美の物差しを身につけているのだなと、バカ親ながら感心する物。

もちろん、学校の勉強も大事。
興味を伸ばすのも大事。
デジタルネイティブの子供達には、プログラミング教育だって大事。

でもきっと、0と1の数字の羅列でどんな物でも表現していくことができるデジタル世界だけでなく。
例えば、竹林先生の日本画。
顔料の機嫌を伺い。
綿布の機嫌を伺い。
湿度や温度に左右され。
そもそもが、自身の心の内にも影響される。

そんな自然や世界。人とのつながりのなかでこそ
得られる心の豊かさがあるんだろうなと。

竹林先生と語らいながら、
天真爛漫なお嬢さんの様子や作画をみながら。

そんな風に思った1日でした。


竹林柚宇子日本画展〜しあわせ〜は
明日。7/30日(月)まで、ちんがらやにて開催中。
この機会にぜひ、僕が惚れ込んだ、先生の色使い。
そして、子供のいるストーリーを感じていただければ幸いです。

最後に、先生のお嬢さんから色紙を頂いて、小躍りして喜ぶ2歳児です(笑)

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