子供の晴れ着につてい〜お宮参りから七五三まで〜
このページでは、
大人の着物の違いや普段着と晴れ着の違い。
なぜ違うのか。
など。子供の晴れ着の特徴について解説します。
例によって、思い入りまくりなので長いよー。
本編は「2、初着の特徴」からなので、要点だけ知りたい方は目次でワープしてね。
目次
1、前段。子供の晴れ着への思いは自己満足でも子供への思い。
子供の誕生。
遺伝子を後世に繋いで行くという生物としての喜びも勿論だけど
自分の分身とも、パートナー(配偶者)とも違う血を分けた家族が増えるという喜び。
これ、頭でいくらイメージしても、実際に我が子と対面するまでは。
その日々の成長を目の当たりして、感動しまくるまでは。
なかなか、感覚でも頭の深いところでもイメージ仕切れないよね。
少なくとも僕は、そうでした。
そして、今では立派な親バカです(笑)
僕たちの仕事として子供に関わるのは、その多くの場合が子供の晴れ着に関して。
人生最大のイベントは勿論出産だと思うけど、
初めて地域の一員として世間にデビューするお宮参り。
無事な成長を祝って、次のシーンへと進み、
神様からの預かり物から徐々に地に足のついた家族・地域の一員・人間として
徐々にステップアップをしていく七五三のお祝い。
昔でいう元服とも言われ、大人としての意識も芽生えさせられる十三詣り。
迷信。非科学的と言われたって、無事に子供が大きくなっていくことは
何にも変えられない喜びを噛み締める、大切な家族の行事。
だからこそ装うものだって、
「その時だけしか使えない。勿体無い。レンタルでいい。」
なんて言われても、やっぱり状況が許すなら大切に用意してやりたい。
少なくとも僕はそう思ってます。
2、初着(お宮参り着)の特徴
初着の形状:どちらも形状は同じで、一つ身という背縫いのない着物。
紐の有無:紐が縫い付けてあります。この縫い方も飾り縫いの場合が多く、厳密には男女で違います。
袖の形状:平袖(大名袖)という袖口を閉じない特殊なお袖の形をしています。
揚げは?:肩あげ、裾上げどちらもしません。
紋の有無:男児の場合、お家の御紋を5つ。日向の染抜きで入れます。女児の場合も紋を入れる場合がありますが、一般的な女児向けの初着では柄と喧嘩してしまう事が多く、現在では紋を入れない事の方が多いですね。
用意するのは誰?:本来、初着は母親の里から送られるものだそうです。ただしご家庭の事情や地域によって、必ずしもそうとは限りません。お金だけ出してもらって両親が選ぶというのも、最近では増えている気がします。初着を送る時には紅色紙の上から白色紙を重ね、紅白または金銀の『水引』を結びます。そして、上段には『御初着御祝』。下段には送り主の氏名を筆書きするのがマナーなんだそう。
↓初着についてのうんちくはこちら↓
3、七五三(3歳の祝い)
着物の形状:多くの場合、初着を直して着用します。ただし3歳のお祝いから着物を誂える場合は、5歳、7歳の晴れ着としても使えるように四つ身という背縫いのある形状することもあります。
男児の着方:着物の上に袴と羽織を着ける方が多いようです。男児は5歳のお祝いが「袴着」といって初めて袴を着ける儀式に由来するので、そこまで袴は着けないというのもあり。
女児の着方:帯姿も被布姿もあり。帯姿も素敵ですが、7歳のお祝いの由来が初めて帯を結ぶというものなので、被布の方が本来的かも。当店では背中が重たくなるので被布を選ばれる方が多いです。
紐の有無:初着と同じく紐はついていますが、御寸法に応じて位置を付け替えます。
袖の形状:一般的な着物と同じく、袖口を縫い止めます。丸みを大きくつけて可愛らしくすることが多いです。
あげの有無:御寸法に応じて、肩あげ・腰あげを行います。この「揚げ」はどんどん大きくなる子供の着物の証。十三詣りまではかならず、肩あげを行います。
紋の有無:男児はお家の紋を5つ紋で。女児は紋を入れない場合が多いですが、本来的には紋を入れる方が正式な気がします。
男児その他の準備:袴、帯、扇子、雪駄、懐剣、お守り。
女児その他の準備:被布、帯、草履、扇子、箱追、巾着(バッグ)。
4、七五三(5歳の祝い・男児のみ)
5歳のお祝いは「袴着(はかまぎ)」や「着袴(ちゃっこ)」の儀式といわれ、男児が初めて袴を着ける儀式が由来といわれます。江戸時代に5歳の男児が行う儀式として定着し、今の七五三の祝いの1つとなりました。
数え歳で行う場合、ギリギリ初着を直して着用できることがありますが、お子様の成長具合によっては寸法が足りないことも。その場合は、改めて作り直すか、裏技として、羽織と袴のみ新調することで対応される場合もあります。
着物の形状:四つ身がオススメ。一つ身でもギリギリなんとかなる場合もある。
以下は3歳のお祝いの衣装と同じです。
5、七五三(7歳の祝い/女児のみ)
7歳のお祝いは「帯解き(おびとき)」「紐落し(ひもおとし)」といって、小な子供用の着物についていた紐を外して、帯で着物を固定する大人と同じ着方になる儀式が由来です。一つ身の着物ではさすがに幅が足りないので、十三詣りを見越して四つ身や大人用の着尺を使って仕立てられる方も多いです。
(当店では仕立て替えを前提に、十三詣りまで着用できる特殊なお仕立てをさせていただくことが多いです)
着物の形状:四つ身、ジュニア小紋、大人用の着尺の可愛いものなどで、先で仕立て替えることを前提とした仕立てがオススメ。
紐の有無:紐はつけません。
袖の形状:袖丈が長い方が可愛いので、可能な限り袖丈を長くするのがオススメ。
あげの有無:肩あげは必ず行います。腰あげはする場合もそうでない場合もあります。
紋の有無:紋を入れらえるお家もありますが、入れられないお家もあります。
着方:帯を結びます。帯は切断して作ってある付け帯が一般的ですが、切断せずに付け帯を作ることも可能です。付け帯にせず、きちんと結ぶ場合もあります。
その他の準備物:帯、草履、扇子、箱追、巾着(バッグ)、志古貴、帯締め、帯揚げ
以上、お宮参りから七五三までの子供の晴れ着の特徴について見てきました。
初着は肩あげがない。袖も平袖。
七五三の晴れ着は肩あげを必ずする。袖も袖口が縫い止めてある。7歳の女児のお祝い着では紐を着けない。
といったポイントがあります。
お手持ちの初着を直して着用したり、お家に伝わっている着物を使われる場合は、信頼できる呉服屋さんに相談に行くのが、一番オススメですよ。
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