夏帯 金魚玉図

最近、2歳の息子が大の魚好き。
ペットショップの魚コーナーの水槽から
魚屋さんの生けすまで。
ゆらゆらと泳いでいる魚を見るのがとても楽しいようです。

そこで思い出したのが、本日ご紹介する夏向けの名古屋帯「金魚玉図」です。
金魚玉というのは、丸いガラス容器の中に金魚を入れた物で
軒先などにつるして楽しんだ、夏の風物詩なのだそうです。

その金魚玉をモチーフ描かれた日本画が細見美術館に収蔵されている
近代琳派として知られる「神坂雪佳」による「金魚玉図」です。

↓金魚玉図はこちらのリンク先をごらんください↓
http://www.art-precis.com/item/07.html

リンク先をご覧になった方、どうですか?
ばっちりそのままの図案でしょ!

作成はご存知藤井絞さん。
爽やかさを増している植物も、金魚鉢も、もちろん主役の金魚も
全部、絞り染めの技法で表現されています。

で、こうなると気になるのが前柄です。
お太鼓の柄は「金魚玉図」の写しですが
前柄はこんな感じ・・・。

わかりますか?
なにやら、蛇のようなシマシマの・・・・。


そう!猫の尻尾です(笑)

これ、担当さん曰く
「金魚鉢に入っている金魚が空を見上げた図」
なんだそうです。

金魚鉢の中から上を見上げたら、行く雲と
ゆらゆらと揺れる猫の尻尾・・・。
えっ!?狙われているっ!!?

僕がこの金魚なら、怖くて視線を正面に戻せません(笑)

見方を変えれば、
お太鼓は、
「金魚鉢の上を見つめる金魚」を真上から見下ろす視界。
前柄は、
「金魚鉢の中から空を見上げる金魚の視界」
あれ?
それじゃ、お太鼓の金魚を見つめている自分って、猫の視点??

なんて、色々と想像できてしまう、ちょっと楽しい染帯です。

お堅い席には難しですが、サラサラッとこんな楽しい帯して
お出かけしたら、ちょっと違った視点で世の中見られるかもしれませんね。

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